こちらはその時、自分が泣いていらっしゃるということに気がついた。

そのときに初めて亭主がこちらを正面から見た。

「お前さ、小学生のところから、何故私を見掛ける度睨むの? きもいんだけど。それにお前のマミー、昔っから始終キチガイだろ。変な宗教に入ってんのも、坂の上の有名な病棟に通ってんのも、知らない物はいないよ。そこまでいじり難いと」

 そこで亭主は言葉を区切った。

「いじめられなくていいよな」

 自分がいじめられてあることを応じることになるのが後ろめたいというように、吐き脱ぎ捨てるようにその言葉だけ早口に言った。

 そこでようやくこちらは、入口の内側の教室内側が静まり返って要ることに気づいた。亭主の教室。わたしの教室ではないけど、それをこちらは恐ろしいと思った。

 わたしの注視がそこに向いているうちに、亭主はとうにこちらに丈を対し歩廊を歩いていた。だいたい便所へ向かって髪を正すのだろう。

 亭主の背中を見ながら、わたしの頭の中にはたくさんの言葉が思い浮かんだ。見ていないのに。小学校のあのところはまさに見ていたかもしれないけど、先々どんどん気にかけてもいなかったはずなのに。何故亭主はこちらが見ていると、睨んでいると思ったのだろう。亭主を見ていたのは、こういうこちらでないとしたら何者だろうか。

「もしもし! それって生き霊かな?」

 10メートルほど先まで行った亭主の後ろ姿に向かって言った。

 小学生のときに亭主を気にかけすぎてしまったから、相変わらず亭主の元にはわたしの念感じが留まるのかもしれない。

 振り返った亭主は、こちらに向かって「ごめんなさい」と言った。

「私更にそういったの暗いから」

「ごめん」

 亭主がふたたび言った。

 その面持ちは至って悲しみたいだった。メンズTBCで脱毛しよう

人員にも需要原君にも、わがままな輩と思われたに相違ない

「あのー、お客様さま。ラテを抜きますと……ただの豆乳になります。それでもよろしかったらお作りできますが……」

 需要原君が、般若のような顔であたしを見た。

「うん。豆乳をお願いします」

 需要原君はソイラテを、あたしは豆乳の入ったグラスを持って、二階の机に上がった。

 需要原君が当たり前のようにランクを上がるから着いてきてしまったけれど、ほんとに禁煙机でよかったのだろうか。

「タバコ、吸わないんですか」

 需要原君が便所に間近い四隅の机に座ろうとした瞬間、向かい側の椅子を引きながら訊いた。

「当たり前です。俺はJTの下僕なんかになりたくない」

「ど、下僕!?」

 だめだ。

 いけない。

 テーマを変えよう。

 椅子に深く座り付け足し、需要原君に気付かれないみたい、薄く深呼吸をした。

 もう、第二道筋に進んでも嬉しい頃合ではないか。

 持ち物を褒めた。

 ──需要原君は上機嫌になった。

 豆乳を注文した。

 ──怒られた。

 タバコの会話をした。

 ──下僕の会話になった。

 えーっと……

 もう詩の会話を決める。

 隣席の食膳では、七十年齢くらいの男女が、公民館のウクレレ講習で習った、ウクレレのチューニングツボについて話している。何やら和やかな感覚。

 もしかして異性が……

 うふふふふッ。

「おい!」

「はい!?」

 需要原君に声をかけられた。

 驚嘆けど、需要原君の人から話しかけて得るなんて美味しい。

「需要原翼の他に、如何なる詩をよむんだ?」

 しかも、詩の会話を振ってくれた。

「あの、えっと、昔の詩人だと黒田三郎が、好……」

「あー、奴はくずですな」

 詩の会話を振られたと思ったら……

 省きられた。

「奴の詩なんて、貧乏な暮らしを丸々詩にしただけの、詩とも呼べないくずごみです。現実を差し換える勇気の無い方に、俺は興味がない」

 人気、乏しいのかぁ……

 そっか、需要原君は黒田三郎に興味がないのか。

「……」

 豆乳をいっきに半ばほど飲んだ。
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同僚になるには、恋人の持っているものを褒めればすばらしい。

小学生の瞬間、友達の多い絵里奈君は、わたしの持っていた筆箱や、定規を入れていた布袋などを褒めてくれた。

 あたしだけでなく、他の子の持ち物もぐっすり褒めていた。

 そこから自然と交換はひろがり、絵里奈君の辺りには、いつでも第三者と含み笑いが溢れていた。

 小学生のときは、二番煎じしたくても上手く真似できなかった。

 今こそ、絵里奈君の使っていた連絡術を真似する瞬間が来た。

 需要原君の近頃持っている雑貨と言えば……

 備忘録と万年筆。

 まずは備忘録を褒めて、次に万年筆を称える手法決行!

「あの、その備忘録……」

 需要原君が振り向いた。

 開いた備忘録に万年筆の先決を当てた通り、あたしを見ている。

 だいぶです。「備忘録……」と言ったはいいが、誠に称えるか決めていなかった。

 いかんせん。手早く褒めないと。

 需要原君が、あたしを見ている。

 怪訝な外見に変わっていく。

 えっと……

 『かっこいいですね』は、ありきたり。

 『いかした備忘録ですね』だと古めかしい。

 あぁ、いかんせん。

 絵里奈君、絵里奈君……

 絵里奈君はどうして第三者を褒めていたんだっけ。

 あぁ、絵里奈君!!

「モレスキンです」

「は? え……」

 英文?

「これはモレスキンと言って、何やらうまい備忘録です。ヘミングウェイやピカソもこれとおんなじ備忘録を使っていた。鬼才たる雑貨、こういう備忘録は七つ道具と呼べる。それから、こっちの万年筆だが、セーラー会社のもので、勘定のわりには相当の優れものだ。えんぴつ職人長原幸夫ちゃんが……」

 需要原君は、自ら万年齢筆のことも喋りだした。

 少年のように活き活きとした外見で、備忘録と万年筆を友人作用に持って、小刻みに揺らしながら語っている。アヤナスの口コミレビューを紹介!

ぴりぴりとした気力を漂わせていた、先ほどまでの需要原君とは別人のようだ。

そして、出会う前に想像していた需要原君とも、個性はごっそりだけど、やけに先入観が違う。

 あたしが想像していた需要原君は、たえず物思いにふけった外見で静止したまま貫く、まるっきり銅像の感じだった。

 なのに、近頃わたしの近隣にいる需要原君は、動いている。

 外見が変化している。

 直ちに責める。

「おい、聞いているのか」

「は、ええ。聞いてます。需要原君はモレスキンが大好きなんですよね」

 素晴らしいまぶたで、需要原君がわたしのことを睨みつけた。

「モレスキンの会話はこれから終わった。今は、ちゃんが何を呑むかがいざこざとされている。セルフサービスなんだから、自分のことは自分でやれ」

 いつのまにやら、あたしと需要原君が注文する番が来ていたようだ。

 ポロシャツを着てキャップをかぶった男の人員が、あたしを見ている。

 ……あぁ。

 いつから待たせてしまったんだろう。

 裏にも第三者が並んでいると言うのに。

 人員からまぶたをそらし、需要原君の人を見た。

「あの、何を注文したんですか?」

「俺か? 俺はアイスソイラテです。イソフラボンは人体に宜しい」

「そうなんですか。それなら、あたしもアイスソイラテを」

 これで安全。

 とっくに需要原君に怒られなくてすむ。

 はからずも需要原君の、あたしに対する品行は難しい。

 何か気に障ることでも、してしまったのだろうか。

「それでは、アイスソイラテをおふたつでいいですね」

 あ!

「わずか待って下さい。あたし、コーヒー無理。飲むとワクワク行うんです。だから、すいませんが『ラテ』っていうコーヒーの点を抜いてもらえませんか」

「……」

 人員が、含み笑いの通り固まってしまった。

 ありのまま、徐々に眉間にしわが寄って出向く。飽くまで口もとは含み笑いの通り。

 やけに悩ましげというか、無茶を突き付けられた人間の外見です。

 ということは、わたしの買い入れは無茶。包茎手術をするならまずはここをチェックしましょう

男、夫人、男、夫人、需要原君、あたし……

需要原君に連れられ、駅前のカフェに来た。ここはセルフサービスのお売り場です。

 わたしたちは水ものを注文する結果、お隣に長い買い入れカウンターに沿ってはじめ列に並んでいる。

 前には若いアベックが並んでいる。その前にもアベック。

 後ろを振り返った。

 真後ろで、フランス書院文庫を読んでいたおじいちゃんとまぶたが当てはまる。

 慌てて事前を向く。

 需要原君は、並び始めてすぐにかばんから備忘録と万年筆を導き出し、それから何か終始書いている。さりげなく覗き込んでみたら、顔にかかるお隣髪のニッチから、真剣な視線が見えた。その目を見たら、余計に落ち着いていられなくなった。

 『落ち着いてますよ』というさりげなさを装って、台を見渡す。

 教え子にとっては夏休みのシーズンだというのに、台には中高生のカタチは見当たらない。

 それよりも、昼も夕刻も、夏休みだって関係ないお婆さんのほうが多い。

 深層の人に単独、スーツを着た勤め人らしい中年男性が見えた。タブレットを広げ、手早い指さばきでキーボードを叩いて要る。傍らには灰皿。

 よく見ると、他人たちもみなタバコを吸っていた。

 そうか。

 はじめ階はタバコ机です。

 どおりで中高校生のカタチが見当たらないわけだ。

 ということは、二階が禁煙机か。

 需要原君は、タバコを吸うだろうか。

 それとも、吸わないのだろうか。

 需要原君に訊いてみたいことは山ほどある。

 それなのに現実は、これ程近くにいるというのに、タバコを吸うか吸わないかさえ訊け弱い。

 豪邸の事前で需要原君に「ちゃんのその様相は日射病かもしれない。早急にどっか気持ちいいところで休むんだ」と言われ、わたしたちはここまで歩いて来た。その間交換をしたのは一度だけ。ナースフルはこちらから!

ハイスクールのテキストで読んで以降、あたしは黒田三郎の詩がびいきだった。

それに、需要原君の詩は、黒田三郎の詩に少し通じると思っていた。

 もし需要原君ではなく、黒田三郎とおんなじ時代に生きていたら、そんなことが頭に浮かぶことがあった。

 その場合、あたしは需要原君ではなく黒田三郎に……

 著しく魅かれた?

 あるいは同じくらい好きになった?

 ……

 そんなことはありえない!

 あってはいけない!!

 需要原君は、あたしにとって唯一の特別な陣営です。現世で特別嬉しいんだ。

 近頃、目の前におる需要原君が!

「必ずしも黒田三郎がびいきか?」

「いえ! まるで。とても。……全然読んだこともありません」

「そうか。みたいだろう」

「……ええ。あのー」

「です」

「高村光太郎についてはどうして思われますか? 大手だし、当然、感心したり見習ったり、やるんですか」

「興味がない」

 ……え!?

「俺は智恵子に興味がない」

 ……そんなぁ。

 高村光太郎の、智恵子君への愛情は素敵だと思ってたんだけどなぁ。

 それに、国語の研修で高村光太郎の『ズタボロな駝鳥』を朗読したら、医師に褒められて、これは中学生暮らしの取り分け一番良いキャリアだった。

 でも更に高村光太郎が限度びいきというわけでもない。

 はい、そう、好きじゃない。

 わたしの好きな詩人は、需要原君だけです。

 そんな需要原君の尊敬して掛かる詩人は……

「何方ですか?」

「俺が尊敬しているのは」

 需要原君が尊敬しているのは!?

「俺です!」

 ……え? へ?

「僅か意味が……」

「俺は、俺を尊敬している」

 くらくらした。

 眩暈です。

 立っていたら、倒れていたかもしれない。

 だけど、座っていたから万全。

 食膳の関わりを掴み、お隣に傾いた姿勢を整えた。

 実際の需要原君は、想像していた温和であからさまな需要原君とは異なる。

 自信に満ちあふれ、それを臆せず口に出す第三者だった。

 想像していた需要原君とは異なるけど、でも、昨今目の前に掛かる需要原君が、あたしは……

「好きです!」

「ななななッ、何を言いだすんだ、急に」

 需要原君が、アイスソイラテを口からちょこっと吹いた。

 食膳に備え付けの用紙ナプキンで、口元を拭って掛かる。

 いかんせん。思い余ってオモシロことを言ってしまった。

「あの、違うんです。需要原君が需要原君を尊敬しているように、あたしも需要原君のことを尊敬していらっしゃる」リンリンの脱毛効果は抜群にいいですよ!

駅舎方面に向かって歩いている最中、カントリー音色の可愛らしいカフェを見つけた。

ショップには、イーゼルに立て掛けられた黒板が置かれていた。

 チョークで献立とトトロのチャートが書かれていて……

「眩しい! ここ……」

 事前をあるく需要原君に声をかけた。

「だめだ。あんなサイクル売り場じゃないカフェ、落ち着かなくてちゃんが一段とスピード悪くなる」

 需要原君は束の間見ただけで、敢然と断った。

 そしてまた、スタスタ走り抜け始めた。

 それ以来、わたしたちはツイートを交わしていない。

 『仮に需要原君が目の前に現れたら』という状況を何度も想像してきた。

 需要原君とカフェで向かい合って、ストローでカラカラ氷をかき回しながら、この世詩の話をする周辺。

 需要原君の住むバラックの一室、和室の広間でお茶を呑み、羊羹を食べながら詩の書き方を教わる周辺。

 近頃、そのチャンスが訪れている。

 ……にもかかわらず、誠に話しかけていいか、誠にわからない。

 何を話そうか。

 何を……

 もしかして、さっさと奥深い会話をしようと意気込むからいけないのかもしれない。

 一般的に、濃い話をするには、親友とか亭主にならなくてはいけない。

 ……え?

 亭主?

 あたしが?

 需要原君の?

 亭主?

 だめだ。

 だめだだめだだめだ。

 無理だ無理だ無理だ。

 あたしが需要原君の亭主に達するなんて、そんなの無理に決まっている。

 前に並んでいるアベックみたく、需要原君と顔を寄せ合って、囁くように交換を講じるなんて、あたしには似合わないし、第はじめ照れくさい。顔から火が出る。

 あぁ。想像しただけで、顔が火照ってきた。

 そんな、突拍子も無い連想をするのはやめよう。

 まずは……

 まずは……

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