その後の記憶は途切れ途切れです。いま確かなのは、父親の運転する自動車の後部席順に座って、しょっちゅう通っている内心科へ絶えずとは違う早い時間帯にいくという先。

 どうも我々は学園を早退させられたらしき。

 ぼんやりとやる。わたしの頭はぼんやりとしているというのに、自動車の窓から思える空の青は鮮明で目映い。何故こんなにも違うんだろう。わたしの内と外は、なぜこんなに離れてしまったんだろうか。

 内心科にたどり着くと、控え室に我々とおんなじ学園のセーラー服を着たママが座っていた。下向き加減の面持ちが長い髪に覆われていて見えない。両手で何かちっちゃなものをいじくって掛かる。隣席にはマミーらしい者が座っている。

 受付からネーミングを呼ばれてふんわりと立ち上がった女房を見たこと「あ!」と思った。話したことはないけどおんなじタイプの人柄です。

 こういう時に「え! まじ!? ここに通ってるんだ? 我々と道連れじゃん」なんて申し上げることができたら、我々もまともな青少年みたくお身の回りなんてものができるのかもしれない。

 でも我々にはそれを始める意思が起きない。

 気づかれないように後を向こうとしたその時、受付を終えたマミーと一緒に女房がくるりと振り返った。

 

 マミーのユーザーは先に行ってしまったが、ゆったりとした調子で歩いてきた女房は、椅子に座ったわたしのプレで立ち止まり「それ」と言って、何かを我々に出した。

 反射的に受け取ったそれを見ると、キラキラと脂ぎるカードだった。

 女房が言った。 

「そちら、あそこの。学園の近くの文房具屋ぺんてるで買ってもらったんだ。ここに加わる道中。でも与える」シースリーの口コミ情報はここ!